160709 同級生の父親の歯科医に行く

Mくんの父親が、私が小さい頃にお世話になった歯科医だった。私は矯正器具の金具が壊れたことと硬口蓋がしみることを理由に、数年ぶりにその歯科を訪れた。壊れた金具は、下側面と下正面の歯列を結びつける役割のもので、それが壊れたために歯列の間にずれが生じていた。

歯科に入り、貰った緑色のガムを噛んでいると、左下の歯がぐらぐらしてきた。触っているうちに、完全に抜けてしまった。口から出すと、上手く掴むことができず、くっついていたガムと共に床に落としてしまった。慌ててティッシュで拭き取ったので、誰にも見られずに済んだのではないかと思う。

診察室の奥にあるベッドに座るように言われた。これは普段Mくんが使っているベッドなので、座らせてもらうのが少し申し訳なく感じたが、診察の際にも毎回使われるベッドなので座らせてもらった。

診療してもらう前に、いくつか個人情報を書いてほしいと言われた。といっても、出身の市を選ぶ欄しかなかった。市の名前が大量に並べられていて、自分の出身地を探し出すのに苦労した。歯科医の出身地である上賀市もまた私の出身地と同じ読み方なのだと聞いて、「それって(パソコンなどの)変換候補に出てくるんですか?」と尋ねると、「選択式やから変換せえへんよ」と返ってきた。私の質問の意図が上手く伝わっていないようだった。

また、別のノートにも少し記述をしてほしいと言われた。そのノートは、Mくんの友達が歯科を訪れた際にメッセージを書くもので、私も小さい頃は書いていた。しかし、こんなに大きくなってもまだ書くことを勧められるのかと驚いた。昔からの思い出のノートが今も使われていることが感慨深かった。

ページを捲ってみると、最近にも何人かの同級生がちらほらとメッセージを残しているのがわかった。メッセージの形式は、一行目に日付と名前、その下に7行ほどの文章、となっていた。Rちゃんは、最近TOEICの勉強をしていると書いていた。Kちゃんは、センター試験について「立方体の問題を中心に解くといいよ!」というアドバイスを残していた。

一通り過去のメッセージを読み返した後、さて私は何を書こうかと考えた。成人について何かメッセージを書きたいと思い、「Mくんの誕生日っていつですか?」と歯科医に尋ねてみると、彼はしばらく考えてから、「今日から見てカレンダーの下」と答えた。私はそれを「今日の一週間後」と解釈したのだが、よく聞いてみると、「今月の最終週の中で今日と同じ曜日の日」という意味だった。

私は、「久しぶりに書かせてもらいます。もうすぐ二十歳やな!おめでとうー!」というような無難な内容を書いた。

私の側には筒状のエレベーターがあり、壁などは全て透明だったため、フロアの区切りが丸見えになっていた。この建物は五階建てくらいになっていたが、二階より上は私の身長ほどの高さもなくて、他のフロアの存在意義はあるのだろうかと思ってしまった。スタッフの操作を見ていると、このエレベーターは外から操作して荷物を他の階へ運ぶという用途で使われているようだった。