160602 初見の店のレジに入らされる

私は食料品を買おうと、ある商店街を歩いていた。そこは私が大学生になってから引っ越してきた地方で、極度の田舎だった。小さい露店が秩序なくばらばらの方向に開いていたが、売っている商品はどこも同じようなものだった。

私はメロンパンを買おうと思い、適当に店に置いてあったものを一つ手に取った。しかし、それを持ったまま少し歩いてからよくよく見てみると、カバオくんの顔を形作ったメロンパンだったので、ぎょっとして棚に戻しに行こうと思った。また、ある店舗ではゲームの宣伝の映像が流されていたが、それはBubble Maniaの主人公をカバオくんに替えて使い回したプレイ映像で、カバオくんが好きでない私はあまり気分が良くなかった。

別の店を見ると、ここに引っ越してきてからの知り合いが働いていて、この界隈の狭さを実感した。

カバオくんのメロンパンを店に返却しに行くと、その店のレジで働いていたOさんに呼び止められた。少しレジの仕事をしろ、とのことだ。もちろん私はその店で働いていないしどうすればいいのかもわからないのだが、「とりあえず挨拶のとこだけ入って!(お客さんから)判子受け取ってくれたらええから」と言われ、強引に店員として入らされた。とりあえず客に「こんばんは、いらっしゃいませ」と挨拶をした。その客は茶髪で優しそうな女性だった。

女性はカードを差し出してきた。私は「判子じゃないやん」と思いつつ、普段コープのレジでやるように「カードをお預かり致します」と言って受け取ったが、それをどうすればよいのかがわからなかった。女性が「多分カード通せる機械あると思うんでー」と言ってくれたのとほぼ同時に、私も自分の後方にあるその機械に気づいた。その機械の形状は、上側が機械の本体で、下に垂直方向の口がついている、というドリンクディスペンサーに似たものだった。カードを下から上に差し込めばよいことにはすぐに気づいたが、カードをどの向きにして差し込めばよいかがわからない。

手間取っていると、男性店員が手伝いに来てくれたが、Oさんは「私も初めは(やり方が)わからへんだから、こうやって自分で試行錯誤してやってみることに意味があんねん」と言って彼の援助を拒んだ。私は、「とはいえ最低限の教育はしてほしい…客だって待たせてるんやし…」と、Oさんの対応を理不尽に思った。しかし最大の不満は、なぜ店員ではない私がここで働かされているのか、ということだった。

ようやく、機械に添えられているイラストを見て、カードの線が入っている部分を右側にして差し込めばよいことがわかった。カードを通すと、新しいカードのような帯が縦方向に発行されてきた。それはギフトカードのようにところどころにラメが入っていて、上質な紙でできているように見えた。その紙を引っ張り出しているうちに、目が覚めた。